クラスとレッスンの設計
IMMERSEのレッスンは、「バックワードデザイン(ゴールから逆算してレッスンを組み立てる方法)」に基づいて作られています。
まずは、そのレッスンで達成したい「コミュニケーションの目的(何が言えるようになりたいか)」を決め、それに必要な文法や語彙を明確にします。
レッスンでは、講義・集中アクティビティ・視覚的なサポート付きのシナリオ・実際に使ってみるタスクなどを通じて、必要な表現を少しずつ身につけられるように工夫されています。
40分間のライブクラスでは、まず教師が例を見せ(モデリング)、聞く・読むといった「理解する力(受容スキル)」を育てながら、話す・書くといった「自分から伝える力(産出)」へと進んでいきます。
こうしたステップを踏むことで、クラスの最後には、その日の「コミュニケーションの目標」が達成できるようになります。
バーチャル空間内のボキャブラリーの役割
バーチャル空間内で使われるボキャブラリーは、レッスンの中で2つの重要な役割を果たします。
まず、レッスンの初めに語彙を導入・定着させることで、メンバーが最終的なアウトプット課題(会話など)にスムーズに取り組めるようにします。
さらに、レッスンを通してその語彙を繰り返し使うことで、言語機能の中に自然に取り込まれ、自動的に使える力(自動化)を養うことができます。
文法へのアプローチ
IMMERSEでは、文法指導を「帰納的(例からルールを導く)」および「演繹的(ルールから例を示す)」の両方の方法で行っています。どちらを使うかは、コミュニケーション課題の内容や学習レベル、扱う文法項目に応じて決まります。
文法は、単独で学ぶのではなく、実際のコミュニケーション課題と結びつけることに重点を置いています。これにより、学習者は文脈のある状況の中で、意味のある言語表現を使いこなせるようになります。
ライブクラスと自主学習型レッスンの違い
ライブクラス | 自主学習型レッスン |
|
|
それぞれの強みを活かした学習
ライブクラスと自主学習型レッスンの両方を組み合わせることで、学習者にとってより充実した、体験型の学びが実現します。
自主学習型レッスンは、ライブクラスの前にスキルを予習したり、あとから復習として使ったりすることで、反転授業のスタイルをサポートします。
学習者は、自主学習を通じてライブクラスの準備をしたり、グループクラスで難しかった表現をあとから自分のペースで復習することもできます。
どちらの形式も「コミュニカティブ・アプローチ(コミュニケーション重視の言語学習)」に基づいていますが、それぞれ異なるニーズや学習のタイミングに応じたサポートを提供します。
フィードバックの相乗効果
自主学習型レッスンでの自動フィードバックは、基本的な正確さと自信を育てる土台になります。
ライブクラスでのリアルタイムなフィードバックは、言語のニュアンスや語用論(使い方の適切さ)、その場でのやり取りなど、より実践的な力にアプローチします。
📚 「体験的な学習」とは?
📚 「体験的な学習」とは?
「体験的な学習」とは、実際に自分でやってみることで学ぶ、五感を使った学びのことです。
ただ読むだけ・見聞きするだけの受け身の学習ではなく、実際に体験し、考え、振り返りながら学んでいくプロセスです。
学んだことを行動に移したり、自分の体験として定着させたりすることで、より深い理解と実践力が身につきます。
体験的な学習の例:
新しいスキルを学ぶ: 新しいスポーツに挑戦する、料理教室に参加する、語学を学ぶなど。
異文化に触れる旅行: 普段と違う環境に身を置き、感覚的・感情的に豊かな経験を得るなど。
実践的なプロジェクトに参加する: Vボランティア活動に取り組む、リサーチに参加する、チームでのプロジェクトに関わるなど。
五感を通して世界と関わる: 新しい食べ物の味を体験する、美しい自然にふれる、スリルのある体験を楽しむなど。
体験的学習によく見られる要素:
振り返り: 経験やその影響について深く考える。
実践: 学んだことを実際の場面で活かす。
意思決定: 自分で判断し、結果に責任を持つ。
問題解決: 課題に向き合い、解決策を見つける。
創造性: 新しいアイデアや方法を試す
体験的学習のメリット:
理解の深化: 学習内容や、それが現実社会でどのように活用されるかについて、より深く理解できるようになる。
自信の向上: 体験的な活動を通じて、自信や自己認識が高まる。
スキルの習得: コミュニケーション力、意思決定力、問題解決力など、実践的なスキルを身につけることができる。
視野の拡大: 異なる文化や地域社会への理解が深まり、多様な視点を持つようになる。
意味のある学び: 実際に体験しながら学ぶことで、学習がより魅力的で記憶に残りやすくなる。
レベルの進捗について
レッスンは、学習者の関心を高め、スムーズな学習の流れをつくるように構成されています。
それぞれのレッスンは「セクション」という単位にまとめられており、一般的な教科書におけるユニットのような役割を果たします。
各セクションでは、中心となるテーマや大まかなコミュニケーション目標に沿って内容が組まれています。
同じセクション内のレッスンはゆるやかにつながっており、語彙や言語スキル、実践的な使い方を段階的に身につけられるよう設計されています。
レベルごとのセクション一覧
以下では、各レベルに含まれるセクションと、その中のレッスン数(#)をご確認いただけます。
各レッスンには、自主学習(オンデマンド)版とライブクラス版の両方が用意されており、それぞれがまったく異なる学習体験として設計されています。
2倍の楽しさで、効果的に学びを深めましょう!
レベル 1
レベル 1
社会的交流と自己紹介 (6)
物事や事実の説明・識別 (6)
日常会話と交流 (5)
家庭と家族 (5)
日常の活動と会話 (5)
日常生活の対応力 (5)
意見・知識・タスク (4)
レベル 2
レベル 2
個人的なやりとり (6)
数とニーズの表現 (8)
好みと選択 (5)
コミュニケーション戦略 (4)
描写と感情の表現 (6)
日常場面での会話と表現 (7)
家と日常生活 (7)
実用的な会話 (8)
人・好み・生活環境 (6)
生活・計画・緊急時の会話 (8)
過去の出来事・状態・場所の表現 (7)
レベル 3
レベル 3
日常生活 (6)
社会的交流と依頼 (9)
感情や意図の表現 (5)
ニーズや好みの表現 (7)
行動や依頼の説明 (5)
過去の経験と比較 (6)
計画・助言・問題解決 (7)
経験や関心の共有 (5)
ストーリーテリングと質問 (8)
説得・不満・計画 (6)
詳細なやりとり (8)
レベル 4
レベル 4
基本的な会話と理解 (7)
意見・事実・好みの表現 (7)
明確化と理解 (6)
叙述と描写 (7)
議論とディスカッション (7)
言い訳と招待 (7)
計画と交渉 (6)
依頼と説得 (7)
意見と提案の表現 (6)
説明と問題解決 (7)
推測・提案・謝罪 (7)
描写と仮定 (4)
仕事・旅行・実務スキル (12)
レベル 5
レベル 5
日常的な会話 (7)
返答・助言・補足 (7)
詳細な描写と意見 (7)
交流を促す表現 (7)
個人的な表現と語り (7)
明確化・訂正・推測 (7)
指示と議論 (7)
必要性と選択 (7)
考え・出来事の構築と表現 (7)
トレンドと視点 (7)
意見と同意 (7)
複雑な表現 (7)
提案と解決策 (6)
レベル 6
レベル 6
議論への参加 (6)
チームでの作業 (8)
会議への参加 (8)
解決と交渉 (7)
リーダーシップの発揮 (8)
プレゼンテーションの実施 (5)
セクション内のレッスンの並び順について
IMMERSEの各レベルに含まれるセクションは、それぞれ中心となるテーマに沿って構成されており、セクション内のレッスンは互いに関連しつつも、それぞれ独立した内容となっています。つまり、レッスン同士はトピックでつながっていますが、どのレッスンもそれ単体でひとつのコミュニケーション目標を学べるようになっており、順番に関係なく受講することが可能です。
とはいえ、IMMERSEでは学習の自然な流れ(やさしい言語から少しずつ複雑なタスクへ、理解から応用へ)に沿って、推奨される順番をご案内しています。この順番に沿って学ぶことで、自信や流暢さをよりスムーズに育むことができます。ただし、すべてのレッスンは独立して完結しているため、興味やスケジュール、学習ニーズに応じて自由に順番を入れ替えて受講していただいても問題ありません。
各レッスンの難易度順の一覧については、下記の「カリキュラムマップ」をご参照ください。